※ネタバレ有り。閲覧注意です※
熱帯魚は雪に焦がれる 第7巻 – 萩埜まこと
5巻以降の感想記事を書いていなかったので、久しぶりの”はにがれ”の感想記事です。
何しろ、7巻がぐっさり刺さったので感想としてしたためたくなってしまいましてですね・・・。
恋愛だ!!
百合だ!!!
と浅はかにジャンル分けしてしまうのも違うのではないか、
と思える一冊になってました。(そもそもこれについては萩埜まこと先生自身からもコメントありましたが)
人が人へと。
伝えにくいけれど、それでも大切な感情を伝えようとする、そして伝えた瞬間が刺さりまくりました。
あのときの小夏の表情に震えないオタクはいないぞ。(断言)
6巻あたりからすれ違いで、ものすごくモヤモヤしたまま
「7巻へつづく――!」
なんて元気よく言われたもんで発狂しそうでしたが。
それでも7巻でこの展開に至れたので無事昇華されました・・・。
感想
小夏が持っていた独占欲などの黒い感情や恐怖や寂しさを伝えられたことで「ようやく・・・!」と思いましたが。
とにもかくにも、26話は漫画としての表現が極上すぎた。
26話冒頭の光と闇と、そしてサンショウウオのシーン。
これ、今回の7巻の表紙とリンクしてますね。
真ん中で光っているのは小夏でしょうか・・・。
そしてその光に寄り添うように現れた強い光が小雪でしょうか。
教室で声をかけられるまでただただ闇の中にいた小夏ですが、ここで現れた光に救われるという描写かな、と思いました。
そして81ページではサンショウウオとカエルが一緒になって光を仰ぎ見るシーンがありますが。
これ、1、2コマ目は暗闇で見えなかっただけで最初からカエルは一緒にいたってことですよね・・・。
二人がすれ違っていた、闇の中にいただけで、本当は二人が一緒の気持ちだったということが分かるシーン。
実際のセリフで描かれるよりも、こういうニュアンスで先打ちしてくる演出にはゾクッとさせられました。
先輩がおらんなったら寂しい
ひとりはいやだ・・・
小夏の想いが溢れ出して、そして弾ける直前の水道の描写。
ここの演出も美しすぎる・・・。
やはり水と感情描写は相性がよい。(定説)
ものすごくストレートな一言なのに、伝えるのが難しい一言ですよね。
仲が良い人や友達って、当たり前のように一緒にいたりしますが、伝わらないことだって多いのが勿論なわけで。
特に”孤独”を共通事項として繋がった小夏と小雪にとっては「寂しい」と伝えることは相応にセンシティブな事柄でしょうし、この気持ちが通じ合うまでにはお互いかなりの葛藤が無いと無理ですよね・・・。
どんどん先に歩いて行ってしまう小雪の姿を見ていた小夏にとっては尚更触れにくい事柄だったことでしょう。
お互いをつなぐ”孤独”が無くなってしまったら・・・と小夏が考えてしまうのは素直な流れなのかなぁ。
無理して笑わんといて
さらっと言われたこの一言からも、いかに小雪が小夏の側にいたのかがよく分かります。
廊下ですれ違った時、しっかりと小夏のことを見ていたんだなぁ・・・と。
本当に”無理をしていた”小夏には響きすぎる一言だ・・・。
二人の繋がりとしては、今までは”孤独”を埋め合うというものでしたが、これから先は・・・ってことですかね。
友情とか愛情とか、そういう言葉では表現しきれないような、大切な相手を思う気持ちとは・・・という二人の行く末が気になる今後となりました。
最後に
26話メインの感想となってしまいました。(というか26話だけ)
今回はパパの訪問がありましたが、めちゃくちゃ温かい話でしたね・・・。
世間のパパって、こんなに心が温かい人ばっかりなのかな・・・。すごいなパパ・・・。
そんなパパに対して「寂しい」と素直に伝えることができた小夏も良かったですが、先に進もうとする姿が非常にまぶしかったです。
全部見返してないから確かなことは言えないのですが、サンショウウオの方から触れてくることはあっても、自分からサンショウウオに触れる小夏の姿って初めてなのかな?
まぁ初めてにしろそうじゃないにしろ、その寂しさに触れて前に進もうとする姿に少し涙。
細かな感情描写に加えて、こういう”人の成長”を描かれると少し泣いてしまうぞ。
8巻も楽しみすぎるけど、BOOKWALKERの雑誌読み放題サービスに最近加入したから最新話読めるんだよな・・・。
単行本まで待とうかな・・・どうしようかな・・・。(我慢できずに雑誌読むやつのセリフ)
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