虚構推理 – 片瀬茶柴、 城平京
虚構推理、既刊10巻のうち6巻「鋼人七瀬」編まで読み終わりました。
1巻から6巻まで、なかなか大ボリュームな1ストーリーでした。
1巻1話が導入になってただけで、あとは全部「鋼人七瀬」編なんですよね。原作に沿った流れなのかもしれませんが、なかなかすごい構成。しょっぱなから長編やるマンガってなかなか見ないので。
オススメポイントは以下3点。
まず推理モノの作品としては現実にありえるようなシチュエーション、事件内容が一般的だと思うのですが、この漫画については現実的な事件なんてものは無し。
犯人は妖怪、妖の類なのです。
もうこの時点で推理モノじゃなくて異世界モノ、妖怪モノの漫画じゃん…と思うかもしれませんが。
この漫画の肝は超常現象の類を売りとして描いているワケではなく、それら超常現象の類をいかにして現実世界に馴染ませ、一般人が納得のいく落とし所を構築していくか、という虚構を構築していく推理パズルになっているのです。(あくまで、私が思う限りは)
真相は別として、虚構を構築していくための推理というのは、なかなか斬新だと思いました。
2点目のオススメ点、1点目と被っているところはあるかもですが。(かもというか、被ってる)
虚構推理の展開と同時に、妖怪や超常現象を交えた描写がとても多いのが特徴です。
妖怪が暴れる描写や伏線がじっくりと描かれた後で、その伏線をカッコよく回収しつつ、超常現象を交えて推理を構築していく時の爽快感・・・。
情報がとても多いので頭に入ってくるまでが大変ですが、一度頭に入り始めたら病みつきになること間違いなしです。途中じゃ止まれませんでした。
3点目は作画の綺麗さ。
これは表紙を見れば分かると思いますが、魑魅魍魎も綺麗に描かれてますし、キャラクターも可愛く、カッコよく描かれていて見応えありです。
やっぱり漫画だから絵が綺麗だととても嬉しいですよね。
とにかく6巻の解決編を読んで、主人公の琴子ちゃんのカッコよさに痺れましたね…。
是非とも読んで味わって頂きたい。
7巻からは新編が始まるようなので、またじっくりと読ませて頂こうと思います。
ということで百合作品というわけではないですが、オススメの一冊の紹介・感想でした。