※ネタバレ有り。閲覧注意です※
りゅうおうのおしごと!18 (GA文庫) – 白鳥士郎
2023年7月12日発売、18巻のネタバレ感想記事です。
前巻17巻の感想は以下リンク先からどうぞ。
感想
やっぱり”りゅうおうのおしごと!”ってすごいラノベですね・・・。
最近マンガやラノベ読んでても集中力が保てなくて刻み刻み読んでしまうのですが、のめり込んで深夜までかけて一気読みしてしまいました。
この18巻、あまりにも色々な要素が詰まっていて休む暇が無かった気がします。
女流帝位戦、帝位戦、そしてあいと天衣の公式戦。
これまでと違って、どの戦いも何かを犠牲にするような重い空気があったような。
八一と天衣は将棋の結論という幻想から目を覚ますような戦いだったので、負けはしたものの二人にとっては前向きな将棋になったんですかね。
八一は帝位を失冠するという手痛い代償となりましたが。
「遅すぎたよ」とか言ってたので、淡路を知ってしまった後の八一がストレート勝ちするくらいの展開を予想していたのですがこれはこれでかなり予想外でした。
まぁ、最初からかなり油断していた感じだったので今回を機に正気に戻る感じですかね。
あいが期待していた”自由”に将棋を打つ八一に戻ってくれると闇堕ち八一くんから脱却できる感じでしょうか。
「八一が間違った方向へ進みそうになったら、それを止めて。あいつの手を掴んで引っ張ってあげて」っていうセリフ、あいの将棋でしっかり実現してくれたのが最高だった。
天衣に至っては、約束どおりなら将棋を捨てることになりますが・・・。
対局が終わった後、あいとそういう会話にならなかったので果たしてどうなるのやら。(あいは天衣が将棋をやめることなんて望んでないから大丈夫な気はしますが)
なんにせよ一番衝撃的だったのは、やはり最後のあいの”限界”ですかね。
負荷がかかりすぎてこれ以上身体が破壊されないように、身体のほうが無意識にストッパーを掛けてるみたいな状態なんでしょうか。
これから無双してプロになって八一とタイトル戦をやるくらいの気持ちでいたから、一読者として受けた衝撃のデカさは半端なかった。
雷がああなってしまったのは、このままだとあいもこうなってしまうという未来を示すためだったのかな・・・。
ほぼ全ての局面で脳に負荷が掛かりまくる”読み”を使ってしまうので、これを淡路がサポートできるとしたら?
本当の終盤の終盤は読みを使うとしても、そこに至るまでの工程においては淡路で出現した局面をある程度暗記すればあいの脳にかかる負荷も減らせる?
そうであるとしたら、今回は負けてしまった淡路もまだまだ活躍の機会がありそう。
残り2巻、みんなが幸せな結末になってほしい。
序盤で出ていた、あいの握り詰め将棋。
八一があの技を封印した理由って何なんだろう?
最後まで読んでみましたが、いまいちピンとこず。
次巻以降で理由が明かされるんでしょうか。
例えば、八一はあの握り詰めの能力があいの身体に極度な負荷がかかることに気づいていた、とか。
それであれば最後のあいの件の伏線だったことになりますが。
そして私は天衣ちゃん推しなのですが、ラストシーンの「本当は八一なんてどうでもいい」みたいな本心じゃないセリフを言うところ。
あそこはあまりにも厳しすぎて泣いてしまった。
失恋の仕方が大人すぎるのよ・・・。小学生の失恋ってレベルじゃない、こんなの。
今のところ、八一狙いの女性ほぼ全員が恋愛方面において報われてなさすぎてつらい。
あいは失恋した上で家を出て行ってしまった状態だし。(一方、今回の桂香さんからは「八一くんが好きになってしまうんじゃないか」的な話が出たから何故か出てきた復活の希望の光)
天衣は以前から正妻ルートに乗れないと分かった上での同居ムーブだし、今回ラストの失恋の涙だし。
銀子に至っては、歩夢との将棋を見て完全に打ちのめされてしまって隣にいる自信が無くなってしまってるし。
原作読んでない人達にとっては、幼女と将棋を指すのがメインのポップな作品だと思われているかもしれませんが、原作完結間近になってあまりにも重たいぞこの作品。
最後に
上述してますが、あとがきで急に出てきた「残り2巻です」の衝撃。
まぁクライマックスですってことは言われていましたが、急に来たなという感覚。
終盤らしい重い展開になってきて読み応えも十分なのですが、その分次の巻が出るまで待つのがつらい。
そういえば17.5巻も読みましたが、天衣好きの私には最高すぎる一冊でした。
18巻における淡路の背景を十分に理解するためには17.5巻を読んでいなければならないので、最近のラノベあるあるの”実質本編”ってやつでしたね。
もし読んでいない方がいれば、17.5巻も是非。
刊行ペース的には半年ちょっとで19巻でしょうか?
クライマックスなのでもう少しかかるかな・・・。
ではでは。