※ネタバレ有り。閲覧注意です※
弱キャラ友崎くん Lv.8.5 – 屋久ユウキ
2020/4/22に発売された8.5巻のネタバレ感想記事となります。
8巻の感想記事は以下リンクよりどうぞ。
感想
“本編級”短編集。
なるほど、確かにこれは本編級。
6.5巻と同じ感じ。
本編の続きがあまりにも気になるタイミングで挟んでくるから屋久ユウキさん勘弁してくださいってなるんだけど、読み終わったらむしろ感謝に変わっているパターン。
1本目、菊池さんとのクリスマス・ストーリー。
8巻の終わりが”菊池さんとの危機”だったから深堀りするかなぁ~、とも思ったけど。
深堀りというか、「これは別れることはなさそうだな」って確信できた感じだった。
1本目からこれを持ってきたの、作者からの「大丈夫やで」ってメッセージにも思えてしまった。
もし別れるストーリーだったら”別の道の重要性”とか進路とか。
そういう話を盛り込んできそうなものだけど、初っ端から”菊池さんとのクリスマス・ストーリー”でしたからね。
あれだけ付き合うまでの過程をじっくり書いて。
みみみというキャラクターをあれだけ引き立たせた上で。
これだけでも別れることはなさそうだなってメタ的な目線で理解しているところに、破局危機直後の短編集でイチャイチャストーリー。
ありがとう。おめでとう。菊池さん。君の勝ち確です。
あとはもう、9巻で早く和解してお願いしますの気持ち。
2本目の日南の妹たちの話。
本編の方で触れてくるかと思ったら、短編集の方でいきなりカラーページから登場。
ここでいきなり登場するのか!ってびっくりしてしまいました。
しかも本当に妹が2人いたことが明らかになったけど、1人いなくなっちゃった理由が明確にされず。
もうひとりの妹は父親に付いて行っちゃった?
あるいは、父親と妹の二人だけ亡くなったとか?
一つだけ繋がれたままのコントローラーが、明らかに姉妹二人の心の傷になってるんだなぁ、と思いましたが真相はどうなんでしょうね。
日南の性格を構成する上での重要なファクターになってそうなので、ここらへんは友崎が日南を攻略していく上で徐々に明かされていくんですかね。
3本目。みみみと菊池さんのお話。
これぞまさに”本編級”という感じ。
めちゃくちゃ重要、かつ読みたかったようなストーリーでした。
驚いた菊池さんの顔がめちゃくちゃツボだった()
菊池さんの一方的に埋めてもらう云々発言がみみみにクリティカルヒットしてしまった・・・。
死体蹴りとは言わんけど・・・死体蹴りやな・・・。
まぁそれはそれとして、みみみの気持ちの整理とか友崎のいいところや好きなところを共有するシーンは心温まりました。
さらにクリティカルヒットした傷を癒やすたまちゃんの一言。
全体的に纏まったけどクリティカルヒットの傷跡だけは・・・ってところから、最後の最後にたまちゃんで締めるという完成度が高すぎるショートストーリーだった。
うーん、これ素晴らしかったな。
4本目、レナさんのお話。
挿絵の女子高生レナさん、圧倒的美少女すぎた。
こんなん強すぎるやろ。
ええ・・・ほんとこの挿絵・・・つよすぎ・・・。
という衝撃を受けたレナさんのお話でした()
まぁ、なぜああいう女性になってしまったのか、という深堀りの話でしたね。
あのままだと本編で”ただただヤベー女”で終わっちゃいますから、やはりこれも”本編級”一作だった。
本編のキャラクターたちを正しく理解する上で必須という意味での”本編級”。
そしてやっぱり、あの挿絵強い。(何度でも言う)
5本目、カラオケの話。
普段よく聞く曲が大量に入っててカラオケに行きたくなってしまった。(コロナ・・・・・・)
これは本当に短編集っぽいお話だなと思いました。
これが無くても本編としては整理する的な。
でも短編集の話が本編の伏線になってたりするんで、このカラオケも何かしら絡んでくるんだろうか?
6本目、打ち上げで日南と菊池さんが話していた脚本の話。
かつ菊池さんの家族のお話。こっちはおまけ的な要素だった。
で、脚本について話していた二人の件、確実に本編にも跳ねてくるよなぁ。
妹の件は菊池さんも友崎くんも知っていることを把握した日南。
一瞬だけでしたが、底冷えするような暗い瞳の挿絵はちょっとゾッとしました。
「取材したんか、お前ら・・・」みたいな。
この部分、一番触れられたくないのか、なんなのか・・・。
変に隠したり取り繕ろおうとしても”パーフェクトヒロイン”としてのバランスが崩れるので、調べられた上で露見してしまうのは割り切っているような態度に思えました。
妹の件から友崎が何かしら踏み込んでこないか、警戒しているんでしょうか。
友崎が本当にやりたいことを日南に逆に教えてやる上で、この”妹の情報”を利用して攻略してきたら一発アウトの地雷になってる気もする。
でも友崎も菊池さんも、その妹の件は「安易に踏み込んじゃいけない」ってブレーキかかっているので、大丈夫だと思いたいですが・・・。
日南の件、今まで1巻から丁寧に丁寧に伏線が張られて、本当に少しずつ回収されているような感覚がありますが、綺麗に着地したら文句なしの名作だよなぁ、と思ってます。
最後に
8.5巻も大満足の短編集でした。
8巻ラストからの続きが気になって気になってしょうがない、ってところはあるけどね・・・。
単に店舗特典を寄せ集めたような短編集じゃないってところが素晴らしい。(じゃないよね?)
本編に挟みにくいキャラクターの深堀りや、細かなストーリーを回収していくような内容なので理解が深まるしありがたさがすごい。
いよいよ次が2021年2月時点では最新巻となる第9巻。
これを読んだら僕も新刊待ちの民に仲間入りしてしまう・・・。
9巻で菊池さんとの一件が解決しなかったら、煩悩を消し去るために全てを捨てて出家するしかないよなぁ!?(竹井風)
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