※ネタバレ有り。閲覧注意です※
千歳くんはラムネ瓶のなか 6.5巻 – 裕夢
2022/3/18発売、6.5巻のネタバレ感想記事です。
というわけで6.5巻、読み終わりました。
短編集ならぬ「長篇」集、もとい本編。
5巻、6巻は関係性が大きく動いた激動のストーリーだったわけですが、この6.5巻は激動後のヒロイン達それぞれの胸中を掘り下げた一冊になっていました。
内容や時系列的にも7巻に相当するのでは、とも思いましたが、主人公の千歳朔の目線ではなく、ヒロイン達それぞれの目線で描くためにアナザーストーリーにする必要があった感じですかね。
時系列的に繋がっているとは言え夏休みの数日を描いたもので物語内部の日にちもほとんど進んでいませんし。
しかし7巻でヒロインたち各々がどのような想いで進んでいくのか、それを理解するためには必須の一冊になっているのでx.5巻と言えど絶対に見逃せない一冊になっていたのは確かでした。
6巻までを第一章とするなら、次章に向けてヒロインたちの心の内を整理するための幕間、と見ることもできるかも。
ではヒロインたちそれぞれに感じた印象について、感想を書きたいと思います。
感想
まず柊夕湖。
5巻ラストの展開から最初の脱落かとも思ったのですが、今となっては正ヒロインとして一番ふさわしい貫禄。
兎にも角にも真っ直ぐで、眩しいくらいにヒロインしてました。
それでも前を向いて手を伸ばす、って意味では夕湖が一番ひたむきなんじゃないだろうか。
なんだか正ヒロインとして格段の成長を遂げていたので悠月の焦りはとても分かる気がした。
今までは普通に接していたのに、朔からの電話で赤面してしまう夕湖は唸るくらい可愛かった。
それを見たときの悠月の心情は穏やかじゃない、なんてもんじゃないよな。
にしてもフラれたから終わりじゃなく、フラれてまた一歩踏み出して、さらに朔のことを好きだと意識してしまうのは好きにならないほうが無理なのではなかろうか????(メダパニ)
それくらいに正ヒロインだった・・・。
七瀬悠月。
ライバルに一番敏感なのはこの子なのかもしれない。
他の人とくっついてしまうかも、という恐怖感を一番持ってるように思えました。
逆に夕湖が一番ライバル視をしているのは悠月なのかもしれない。その逆も然り。
夕湖の真っ直ぐさにあてられて折れそうになっていましたが、それでも負けられないという思いも同じくらいに熱い。
白雪姫の一節から始まり、悠月の決意の一文で終わるのはゾクッとしました。
なずなとの尊い2ショットで、「このカップルでもいいじゃん」と思ってしまった事実は墓まで持っていきます。
西野明日風。
個人的には一番推しなんですが、恋愛的な描写としては本巻では5人の中で一番薄かったかな?という印象。
朔との恋愛という観点より、明日姉自身の夢が軸になっているストーリーだと思いました。
だから脱落候補なのでは?という思考にはならず。
それだけ熱い夢があっても、朔がいるから地元に残るという選択肢が一瞬でも浮かんでしまうくらいに明日姉にとって朔の存在は大きい。
しかし夢と朔を結びつけることはできず。
でも明日姉は朔のことを思い続けるという、これもまた正ヒロイン感が強すぎて恋愛的な描写が薄いとか言って正直ごめんなさいとしか言いようが無い・・・。
明日姉が想像する朔との未来は”大人”になってからなんだよなぁ。
明日姉推しとしてはどうしても期待してしまう一文になってました。
内田優空。
なんだか女の子らしい可愛さが詰まっていて一番微笑ましいストーリーでした。
新婚感が異常な(今更だけど)お買い物デートからの、お父さん挨拶エピソード。
お父さんへのご挨拶、優空のためのスツール、お母さんにも紹介したいという優空の心情。
色々と外堀は埋まった感じがするんだけど、普通に考えるともう優空ちゃんと結婚しなかったら色々と詐欺になっちゃうレベルだぞ、これは。
もう誰推しとか他の4人が、とかいう目線を抜きにすると、優空しか考えられないくらいに外堀は埋まった感がすごい。
他の4人がいなかったら完全に正規ルートだし、絶対的な安心感の描写だもんなぁ、これは。
これで優空エンドじゃなかったら優空推しは暴動起こしていいと思う。
青海陽。
明日姉と同じくこれも恋愛描写薄いかな?と思いきや朔への想いの強さが半端ない、というストーリー。
明日姉は編集業、陽にはバスケという譲れないものがありつつも、朔という譲れないものがまた一つ。
という構図的に似たストーリーになっていると感じました。
他4人と違って陽のストーリーはバスケの3on3ガチバトルで青春恋愛ストーリーというよりバスケとしてガチで熱い展開になっていて、そういうところも陽っぽいなぁ、と思ったり。
どうしようもなく私が変わっていく、って一文はめちゃくちゃキュンときてしまった。
最後に
明日姉のことが最推しではある私ですが、全員があまりにも魅力的だし全員があまりにも朔のことが好きすぎるので、いつかたどり着く結末がもはや恐怖に変わりつつある。
巻数を重ねるごとにほんとそう思います・・・。
そういった意味で、夕湖が一度フラれてしまった5巻は胸の中がぐちゃぐちゃになった。
いずれ1人だけが選ばれるということは、あの4倍以上の衝撃が襲ってくるということですよね?
そんなものが一般大衆向けラノベの顔をして世の中に発刊されていいのか?
危険物指定されるべきなのでは・・・。
他の青春物でも一人だけが選ばれて、という展開は数多くあるのですが、チラムネは各ヒロインの魅力が凄まじく、かつそれぞれの心情やストーリーが物凄く事細かに描かれていて。
その分それぞれのヒロインに対する思い入れも深まるので「推しが選べない!」って人はめちゃくちゃ多そう。
もし明日姉が選ばれたとしても、他のヒロイン達の悲しみを思うとちょっと無理なところある・・・。
このままズルズル引き伸ばして誰が結ばれるのかを知らないまま寿命を迎えたいとうい願望、正直あります。
本当に面白いし青春物として最高なラノベなのにその分苦しいのは何故なんだ、チラムネ。(褒めてます)
では、次は7巻の感想記事にて。
7巻も絶対しんどいんだろうなぁ。(再度褒めてます)
1件のコメント