※ネタバレ有り。閲覧注意です※
ホヅミ先生と茉莉くんと。 Day.1 女子高生、はじめてのおてつだい – 葉月文
2021年2月10日発売、第1巻のネタバレ感想記事です。
かなり面白かったです。
文体やパロディネタなんかは所々がっつりラノベ(特に序盤)なんですが、それでも文章や表現の巧さがひしひしと伝わってきました。
おっさんと女子高生のそこらへんのラブコメラノベなんじゃないか、と思わせる序盤のおふざけ具合はどこへやら。
にしても、パロディの内容的に同年代(30代)の香りがする…
そしてラノベ作者のリアルっぽい描写がやたらと胸に刺さった。
これ作者の実体験というか、実話なのかと思うと色々と思うところがあった・・・。
これからもラノベいっぱい買うね・・・。
さて、メインヒロインの茉莉ちゃん。
ただ可愛いだけではなくミステリーを匂わせるキャラクター性に惹き込まれました。
明らかに編集さんと知り合いではないということ。
たくさんの小さい子の面倒見てた、ということ。
最終的な名前のくだりでほぼほぼ種明かし。
という段階を踏んでいく、ちょっとしたミステリー気分を味わいながら日常ラブコメを味わえる良著だと思いました。
風景描写とか心情描写が綺麗なのも素晴らしい。
ふざける時はパロディ等でとことんふざける。
しかしここぞという場面では心に刺さってくる文章で殴ってくる。
このバランスが気持ちよかったんだろうなぁ、このラノベ。
気がついたら一気に読み切ってしまってました。
さて、疑問に思った点についても。
茉莉の感情は恋愛そのものだけど、ファンだからという理由で恋愛に結びつくんだろうか。と思うとどうなんだろうな、と。
憧れの存在→会ってみたい→実際に関わってみて恋愛感情が芽生えた
という心の動きなんですかね?
最初から好感度MAXでのスタートに見えなくもなかったので、気になった次第。
あるいは、著作から作者の本質を読み取って、実際に憧れた作者の人物像そのままだったから、そのまま恋愛感情に繋がった?
と考えれば納得もいく。
単純な作品のファン、というより作品を通して先生の人物像に憧れを抱いた、と考えれば自然か。
ラストシーンは見事に伏線回収でしたね。
ホヅミ先生、逮捕されてせっかくのヒット作が無駄にならないかヒヤヒヤだったよ・・・笑
最終的にはこういう青臭い青春チックな描写があるからこそ、爽やかな読後感があったんだろうなぁ、とも思う。
なんにせよ、この1巻でめちゃくちゃしっくりくる終わり方をしたので、2巻があると聞いたときには
え、これ続きは何やるんだ???
と思ってしまったくらいに1巻の終わりが綺麗に締まりすぎていた。
でもここから更に二人の関係性が縮まっていく様子を見られるのは喜ばしい限り。
編集さんとのフラグやらも、まだ回収し終わってないしな・・・。
というわけで2巻が発売されたばかりということで、急いでそちらも読み進めていこうと思います。