【ネタバレ感想】やがて君になる 第38話「針路」 電撃大王2019年3月号

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重大なネタバレ含みますので、閲覧注意です※

読者に大きな衝撃を与え、この一ヶ月気が気じゃなかった、やが君原作勢。
ようやく電撃大王の発売日となりました。
というわけで日付が変わってから電子書籍で購入して、早速購読。

そして読み終わった訳ですが・・・。
こんなに早く修学旅行編が終了するとは思いませんでした・・・。
修学旅行編が37、38話の2本だけって、本当にストーリーの核となる部分だけを綺麗に描いている気がしますね。

感想

この38話、やがて君になる好きな話数ランキングTOP5とかあったら、今の所上位に入ってくるような美しさだった気がします。
かつ、今回は燈子にとって本当の本当に大切な回。
「好き」という本作最大のテーマが、燈子の中で変わった回でした。
今までの燈子にとって”好き”とは「相手を縛り付けるもの」。
しかし、沙弥香からの本気の想いが届いた今。燈子にとっての”好き”とは「選ぶこと」
だからこそ、沙弥香への返事は「選べない、選ばない」という言葉になったんでしょうね・・・。

38話の扉絵、燈子が上から降りてくる一本の紐を掴んでいますが。
これは”選択”という意の暗喩なのでしょうか。
燈子が掴んだこの一本の糸が侑に繋がっているのでしょう、きっと。

沙弥香が燈子に与えた提供って本当に大きすぎますよね・・・。
侑と沙弥香の二人がいたからこそ、燈子は変わることが出来たというか。
好きとは「信頼の言葉」。
燈子が必要としている言葉を、こんなにも美しく回答出来る沙弥香って・・・。最高すぎるよなぁ。

沙弥香は燈子を信頼しているし、燈子だって沙弥香を信頼している。
沙弥香は燈子の弱い部分も知っているけど、沙弥香はそれでも隣を歩いてくれる。
燈子の中には、沙弥香に対してそれだけの信頼がある。
一緒にいられるし、沙弥香の信頼に応えたいという気持ちもあるけれど。
隣に居て欲しいと選び、最初に頭に浮かんだのはやはり侑だったんですよね・・・。

沙弥香とボートに乗りながら、隣にいる侑の姿を想った瞬間。
あれは、燈子が侑を”選んだ”、侑のことを(新しい意味で)”好き”になった瞬間。
そして同時に、沙弥香のことは選べないと確定してしまった瞬間・・・。
ボートに乗っているシーンの最後の一コマの燈子の顔が本当に苦しそうで、見ているこちらも苦しい。
それほどまでに重い選択をしてでも、燈子は逃げずに沙弥香に心の内を告げました。

という場面で修学旅行編が終了。

いやー、ものすごく良いところで終わったという気持ちはありますが、ここまで見事な1話を読んでしまったら、ただただ感動的な読後感しか残ってない。
また一ヶ月待つのかよおおおお!!!
って気持ちが不思議とないんですよねぇ・・・。来月号が楽しみすぎる事は間違いないんですが。
この37、38話の満足感が凄すぎて、この一ヶ月はひたすら反芻するだけで生きていけるような気がする。

修学旅行編の37、38話の主体は沙弥香にあったわけですが・・・。
佐伯沙弥香。美しすぎるし可愛すぎるし格好良すぎるし、燈子にとって本当に最高のパートナー足り得る存在だなぁと感じました。
あの燈子が”選んだ”としても全然不思議では無かった存在。
佐伯沙弥香が余りにも好きなキャラクター過ぎて、ひたすら心がしんどい話でもありましたが。
これまでの沙弥香の気持ちを圧倒的な綺麗さで詰め込んだ、心が浄化されるような最高のお話でもありました。
圧倒的な存在感とキャラクター性の強さを持った女の子が、三角関係の中でただ一人結ばれない存在になってしまうとは。

やがて君になるって、ストーリーもキャラクターの数も過不足が全く無く、完璧過ぎる構成な気がするんですよね。
絵も綺麗だし構成も完璧すぎるし、非の打ち所が見つからない。
どうなってるんだこの漫画。(褒め言葉)

さて、39話はいよいよ侑が登場ですかね・・・。
最後に侑に一通のメッセージを送ってましたし、果たしてどんな内容なのやら。
いよいよクライマックスなんですかね。
終わってしまうのはつらいけど、ラストに向かって全くの無駄なく突き進んでいくんだろうなぁ。

侑と燈子の後ろ姿 ※2019/2/26追記

ボートに乗っている時、燈子が二羽の鴨に目を配らせるシーンがあります。
二羽の鴨の後ろ姿を見ながら、燈子の頭の中には”侑と燈子”が並んで歩く後ろ姿が浮かびました。
この二人の後ろ姿を見てみると、白い星のような模様が映っています。
次のコマでも、燈子の顔の横に白い星のような模様が。
この模様、燈子が侑にプレゼントしたプラネタリウムから発せられる星にそっくりです。

”やがて君になる”という作品において、光は”好き”という感情の暗喩です。

二羽の鴨(侑と燈子)を背後から見つめ、隣にいる侑の姿を思った瞬間。
正にこの一瞬が、燈子が侑のことを”選んだ”一瞬。

この時、燈子は自身の中に”好き”という感情、つまり”光”を持つに至ったのではないかと。
そしてその光源(プラネタリウム)から発せられた光が、二羽の鴨(侑と燈子)の後ろ姿を照らしていた。

こじつけかもしれませんが、じっくり読みながらそんなことを考えてしまいました。(自信は無いです)

という風に考えていると、いよいよ明日発売である39話「光の中にいる」というタイトル名から色々と妄想出来てしまい・・・(尊死)

紅葉 ※2019/2/25追記

ボート上のシーンで、燈子の頭に降ってきた紅葉の葉を、沙弥香が優しく摘まみ取る描写があります。

好きだったあなたが、時を経るにつれて”違うあなた”に変わってくれるかもしれないけれど。
変わってしまったあなたも、きっと私が”好きでい続けられる”あなたであると信頼している。

紅葉の花言葉は「美しい変化」

前話の37話の扉絵で既に紅葉が大きく描かれています。こんなところに伏線があったとは。
やはりこの作品は花言葉とは切り離せないですね…。

変化という点では燈子に視点が向いてしまいますが、一歩を踏み込むに至った沙弥香にこそ、手に持ったその花言葉がよく似合うと思います。

13件のコメント

  1. また一ヶ月待つのかよおおおお!!!
    という気持ちにならなかったの、まさにそれなんですよね!!!先月は次が待ち遠しくてしぬ…って思ったんですが!
    沙弥香の告白が見事だったので、燈子はもしかして心を動かされる可能性もあるんじゃ…って少しでも疑ってしまったのを恥ずかしく思います(´・_・`)
    燈子の「選べない、選ばない」が見事すぎて、その後の言葉も完璧で、仲谷先生好き…抱いて…となりました(笑)
    いやー侑はまだやさぐれているでしょうが、燈子からのメッセージをどんな気持ちで受け取ったんでしょうね。先輩がいない間の侑も描いてくれないかなと思っています!

    関係ないですが、私は「熱帯魚は雪に焦がれる」も大好きなので、電撃大王と同日発売の電撃マオウも読まなくてはいけなくて、電子書籍の更新日はいつも遅くまで寝られません(笑)

    1. 仕立て屋リスさん
      いつもコメントありがとうございます!
      38話で仲谷先生が定義した「好き」の定義が、やがて君になるの主題として、そして今の燈子が必要としているエッセンスして完璧すぎましたよね!絵が綺麗なだけじゃなくて、話の構成まで完璧すぎる・・・って一読者として只々感動させてもらいました。
      37、38話と侑が出てきたのは序盤のやさぐれてる感のところだけなので、槙君と何らかの会話シーンなんてあったら最高ですよね。

      はにがれ、私も大好きですよ!4巻ではひたすら身悶えさせて頂きました(笑)
      発売日の0時になった瞬間に最新話が読めるという素晴らしい時代ですよねぇ。逆に考えると(笑)

    1. コメントありがとうございます!
      私も確かにそういう気持ちが無いと言ったら嘘になります(笑)

  2. 初めまして、ロックです。『やがて君になる』はアニメから入ったので、原作マンガに関しては
    ネットを少しかじった程度なので、失礼な感想があると思いますがご容赦ください。こちらのサイトや他の感想サイトで、佐伯先輩が七海先輩に告白すると知って…。『侑の告白を『ごめん』と返した七海先輩が、成り行きで佐伯先輩と付き合う。でも、あるきっかけで侑の存在の大きさに気が付いて近づくけれど、他の人を好きになることに決めた侑に笑顔で別れを告げられる』が、アニメを観たうえでの『やがて君になる』の結末かな~と思っていましたが…(汗)。七海先輩、きちんと自分と本当の意味で向き合いましたね。私が悪かったです(汗)。

    佐伯先輩は気の毒ですが。中学時代の先輩とは違って、想いを受け止めてくれた七海先輩のおかげで、いい未来が開けるのではないでしょうか?。問題は、やはり侑ですね…(汗)。両思いだからといって、簡単に付き合えるとは思えないし…。これから一波乱ありそうな気がしますが、最後まで見守っていこうと思います。原作マンガ、揃えようかな~。

    1. ロックさん
      コメントありがとうございます!

      以下のコメントは原作のネタバレを含んでいますので、まだ原作を未読のようでしたら、ぜひ原作をお読みになってからご覧頂けると幸いです。

      確かに周りの知り合いにも、「一旦沙弥香と付き合うのでは」という意見を出している人は少なからずいました。
      しかし、もし沙弥香と付き合う事になって、そのまま侑へ振り返る事が無いんだとしたら・・・
      侑が燈子のために必死で送った気持ち(燈子を変えようと思って変更した劇の脚本)に対する、燈子からのアンサーが殆ど無いまま、”やがて君になる”は終わってしまいます。
      1巻から6巻まで費やして、仲谷先生が丁寧に丁寧に描いてきた侑の気持ちが無かった事になるような結末は無いんだろうな、と思っています。
      なので、もし一旦沙弥香と付き合うことになったとしても、最終的には何かしらの形で侑が報われる。そういうエンドが用意されていると私は信じています。ハッピーエンド至上主義者なので(笑)
      まぁ結果としては沙弥香を選ぶ事はなく、侑を選んだというのが38話で出た解でしたね。

      http://daioh.dengeki.com/taisho/yagate/
      上記のリンクは、電撃大王の”やがて君になる”の特設サイトですが、ページ下部に仲谷先生の
      「すぐこじらせた方向に行きたがるので、 読んでいて楽しいものになるようには気を付けているつもりです。」
      という一言があります。
      この楽しいもの、という言葉を信じたいですね・・・。
      その直後に、「ただしこじらせないとは言ってない。」と書いているのが非常に怖いですが(笑)

      沙弥香が選ばれなかったこの38話の描写は、私としても非常に心苦しいお話でもありましたし、美しさの余り息を飲むようなお話でもありました。
      沙弥香に対して逃げる事無く、ありのままを沙弥香に告げ、沙弥香からの想いを受け止めた燈子。
      好きという新しい形を見つけられた今の燈子なら、きっと良い展開が待っている、そう信じたいですね。

      原作漫画、ぜひぜひ揃えて、6巻読み終わったところで悶々として頂きたいです(笑)

  3. 管理人さん、いつもありがとうございます。38話、ただただ良かったし泣けました。何も言うことはありません。おっしゃる通り燈子は新しい好きを手に入れることが出来ました。これからは安心して眠れそうです(笑)
    ただ、こだわってすみません。お許しいただける様でしたら、なぜ今回燈子は好きへの怯えを乗り越えられたのか、以下、個人的な考えをコメントさせて頂ければと思います。
    本話を整理すると、燈子は沙弥香の好きは怯えず受け入れることが出来た、なので侑と沙弥香のどちらを選ぶのかというステップに進むことが出来た、そして自然に好きへの怯えを乗り越えていた、ということになるかと思います。
    燈子は沙弥香の好きをなぜ受け入れることが出来たのでしょう。こんな理由が考えられるかなと思いました。
    ① 侑との一件以来、人の言葉ではなく行動に注目するようになり、沙弥香の告白は事前に察知して冷静に受け止めることができた
    ② 共に過ごす中で築き上げられた信頼関係 (これは侑とも築かれています)
    ③ 弱い自分も知った上で、好きだと言ってもらった (これも侑のほうが先、ということになります)
    ④ 初めて、ぜんぶが好きといってもらった
    聡明でストイックな燈子のことですから、侑の告白の後でずっと自分の怯えについて考え『他人の好きは、私を今の自分に束縛しようとする言葉だと信じてきた。だから怖かった。私はお姉ちゃんになりたいけど、お姉ちゃんの中に閉じ込められてしまうのは怖い。でも、侑は変わり続ける自分に係わってくれて、見守ってくれて、でも、好きといってくれた。もしかして自分の好きはみんなの好きと違うのでは・・・』というところまでは辿りついていて、それ故に④の言葉が燈子の心に強く響いたように思えました。
    沙弥香の想いを受け入れた燈子の心に、次に浮かんだのは以下の様な思いだったのではないでしょうか。
    「沙弥香の、あなたのぜんぶが好き、が嬉しいなら、なぜ侑の好きには応えれないのか」「侑のことをこのままにして、沙弥香に応えられるのか」「好きと言われて嬉しかったけど、私は沙弥香を好きなのか」「私はどちらを選べば良いのか、いや、どちらを選びたいのか」「侑の好き、はどんな好きなのかちゃんと聞いてみたい・・・」
    おっしゃる通り、ボートの上で沙弥香が燈子に伝えた好きの解釈が秀逸でした。頭が良いだけではなく常に燈子の言葉に耳を傾けて誠実に寄り添おうとする沙弥香ならではの優しい答え。燈子の気持ちはここではっきり整理できたんでしょうね。沙弥香は信頼出来る友人、でも侑を信じて導かれることで私はここまで来れた・・
    沙弥香に暖かい親しみは感じるけど、侑と離れて感じるような切なさは感じない。私だけの特別じゃなくなっても、私はやっぱり侑が好きなんだ・・・・
    そこからの展開は沙弥香にとっては失恋、燈子にとっては相手が傷つくことが判っていながら告げねばならない辛い場面なのに、言葉を交わした後。二人の友情は変わらず、むしろ強まっていく・・・ 仲谷先生、神過ぎです
    燈子の目にも涙(笑)は二度観ることができたので、今度は是非、侑のうれし泣きが観たいですね。あと、管理人さんのコメントの通り、これで修学旅行編が終了となると、ひょっとして7巻が最終巻になってしまうのではないかと気になってきました。百合まんがの王道、とは何をどこまで描くことを目指すのか、期待して答えを待ちたいと思います。
    乱筆、長文失礼いたしました。

    1. nenさん

      いつもコメントありがとうございます。
      nenさんの①~④の解釈のおかげで、自分の考えが綺麗に整理出来たとともに、物凄く嘆息しました!
      自分の感想記事の内容が恥ずかしく思えてきました(笑)
      ①なんかは、「裏側を覗き込んでこない」と思っていた燈子の気持ちを考えると明白ですね。

      燈子が沙弥香の告白を受け入れ、かつ沙弥香の気持ちを綺麗に理解した上で、最終的に侑を選択出来たのは・・・沙弥香が「胸を突き破って溢れてしまう」程に大切にしてきた気持ちを理解出来るまでに成長出来た燈子、そしてその成長を支えた沙弥香がいたからこそなんでしょうね。

      6巻終了時点。”好き”の形が見えていなかった燈子。まだ、”好き”の重さが分かっていなかった燈子。
      燈子の葛藤は、第35話「一人と一人」で事細かに描写されています。
      35話時点で燈子が考えていた”好き”の形と、最新話38話の”好き”の形は明確に違っています。
      皆が期待する自分でい続けなければいけない(束縛)という”好き”の形から、沙弥香の想いを受けて、”好き”の形が変化した燈子。燈子は侑より先に、”好き”の答えに辿り着きました。
      そして対象的に、35話時点で”好き”の形を見失ってしまった侑。
      ”好き”という気持ち、そして”好き”の形を侑に伝える最後の一仕事をしてくれるんだろうなぁ、と思ってます。
      二人で一つの形に一緒に辿り着いたところが終着点なのかなぁ・・・と。

      本当に、仲谷先生神過ぎますよね。ここまで綺麗に三角関係を描ききった作品、見たことありません。
      侑と燈子の嬉し涙が同時に見られるハッピーエンドを願ってやまない私です。
      百合マンガという枠組みを超え、一つの”恋愛感情”の形をこれでもかというくらいに赤裸々に、そして暴力的と言える程までに鮮やかに描ききった文学だと、最近感じています(笑)
      私も仲谷先生が描く答えが楽しみです。

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