【ネタバレ感想】空の青さを知る人よ

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ネタバレ有り。閲覧注意です※

2019/10/11(金)公開の映画、「空の青さを知る人よ」を見てきました。

予告を見た感じだと恋愛ものの映画なのかなと思いましたが、愛情という点で、”姉妹愛”にものすごくフォーカスした映画だと思いました。

その上で、恋愛面についても甘酸っぱい青春系より少しだけリアルな、大人の恋愛を描いていたのが好印象。
そして切ない失恋がたまりませんでしたね・・・。
ここらへんの様々が同時に描かれていて、感情の波が動きすぎてしまい、映画館でがっつり泣いてしまいました。
最後のエンドロールが始まって涙が引いてきたと思いきや、最後の写真でまた泣いてしまうんですよ・・・。
あの一枚はほんとにずるい・・・。

というところが、ふわっとした感想。
とても良い映画でした・・・。おそらく2回目を観に行くと思います。
<追記>
10/20に2回目見てきました。

感想

※見て感じたことを書き殴ってます。後々校正したい(たぶん校正しない)

成就するのは”あかね”と”慎之助”の恋。
失恋してしまうのは”あおい”から”しんの”への恋心、という構成になっていました。
※つぐ(正嗣)についてはこれからに期待ってことで・・・。パパについてはよくやった感がすごい

予告ではあおいが一番のメインとなっていたため、あおいとしんのの青春系ラブストーリー、そして二人はなんらかの形で結ばれる、なんて淡い展開を予想して映画館に行ったのですが・・・。

恋が成就するのは、なんともリアルな大人の二人。
この二人の恋愛、めちゃくちゃリアル感ありましたね・・・。
一旦ホテルの部屋に行って出てくるところなんて、恋愛関係を拗らせてしまった大人のやり取りそのものじゃないですか・・・。(経験ないのであまり分かりませんが泣)

もっとかっこいい姿であかねを迎えに行きたかった慎之助。
作中でその胸の内こそ明かさなかったですが、おそらくは慎之助のことを待っていただろうあかね。(男としての希望的観測マシマシの予想)
慎之助が酔っ払った時の車中で「たぶん待ってない」と言いますが、実際どうなんでしょうね・・・。

最初は泥酔して慎之助のカッコ悪いところを見てしまうあかねなのですが、この時は泣いたり悲しい顔すらせず。
ですが、階段で慎之助の弾くギターを聴いた後、一人になったあかねはひっそりと泣くんですよね・・・。

この涙の理由は一体なんなのか、と。
あおいのために東京行きを諦め、一人であおいのことを支え続けてきたあかね。
東京から帰ってきた慎之助の姿を見て落胆するものの、そこにいたのは元の”しんの”、かつ慎之助であることに安堵し、今まで耐えてきた涙がこぼれ落ちたのか・・・。

“しんの”の前でしかあんな風に笑わない、そしてあかねの泣く姿を初めて見たあおい。
ということは、笑ったり泣いたり、そんな姿を見せるのは”しんの”の前だけなわけで・・・。
心が大きく揺れ動いてしまい、反動で涙がこぼれてしまったのか。
13年、色々な思いが積もっているはずですしね・・・。
東京に行くという約束が守れなかったあかねがどいう思いで過ごしてきたのか、と。
序盤に進学のことについてあおいに進言したあかねが、「そのことはもう言わないって言った。約束、守ってよね」と言われたシーンで少し物思いな表情になったのがとても印象的でした。

さて、急にラストシーンのお話になってしまうなですが。

慎之助も地元に戻ってくるにあたって、封印していた思い(ギターケース)を開けて、お堂にギターを取りに行こうと決意していました。
あかねを迎えにこようという思いに、変わりは無かったことが分かって安堵・・・。

お堂に置いてきたギター、思い(しんの自身)が解き放たれるラストシーンは涙してしまいました。

最後の「ツナマヨのおにぎりを作ってみよう」というセリフも味があって良いですよね・・・。
あそこのシーン、あかねが一定したテンポでハンドルを叩きながら、安定したエンジン回転数を示すメーターが描かれています。
中盤のシーンで出てきたメトロノーム、そしてそのメトロノームを止めてしまうあおい。
このシーンとの対比になっているようにも感じました。
あおいがベースとしての役割(しんのから言われた言葉)を果たし、あかねを導いてあげることが出来たと分かった瞬間でもありましたね・・・。
考えすぎかもしれませんが、とても良い描写だと思いました。

一方の、あおい。
過去に引き続き、同じ相手に二度目の初恋をしてしまうわけですが。

失恋を覚悟した瞬間は、”しんの”がお堂から飛び出すシーンだと思ってます。
その前にあかねのあおい攻略ノートを見てあかねと慎之助をくっつけるという決心をしてから。
決心はしたもののどうすればいいのか分からない狭間に陥り。
そして、お堂を飛び出そうとする”しんの”の、あかねに対するただひたすら真っ直ぐな想いを目の前に聞きながら。

あの時のあおいの表情に影が落ちる瞬間のしんどさと言ったら・・・。

“しんの”を解き放ったと同時に、あかねのことも解き放ったとも受け取れる描写はすごく奥が深い・・・。

色んなシーンで、あおいの心が大きく動いていくこの映画。
そしてその心の動きがとても理解しやすく描かれている本作には、見る側としても大きく心を動かされました。
こういうストーリー、おっさんは絶対泣いてしまうんだな・・・。(2回見て2回泣いた)

最後に

空の青さを知る人よ、というタイトル。
序盤は、このタイトルはあかね自身を指していますが、最後はしんの自体も当てはまるんですよね・・・。
トンネルの中での会話がとても良かった。

てか吉沢亮にしろ吉岡里帆にしろ、演技うますぎんか・・・?
めちゃくちゃ良かったのですが・・・。

そして私の一番お気に入りキャラクターはあかねでした。
むしろ、大体の人はあかねに寄るんじゃないかな?(たぶん)

2回目見た時に、細かな表情の変化などなど、とても多くの発見がありました。
2回目の視聴、とてもオススメです。
あかねの機微な感情の動きに着目して見てみるととても面白いと思います。

というわけで、とてもとてもいい映画でした。
円盤欲しいです。

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