やがて君になる、アニメ第8話。
8話では目立ったストーリー上の進展は無かったですが、侑・燈子・沙弥香の三角関係が描写されている重要な回でしたね。
原作該当部分は4巻の幕間「初恋はいらない」、3巻の第14話「交点」、3巻の第13話「降り籠める」となっていました。
アニメの進行順は、原作の進行順と真逆の順番になっていましたが、ここはアニメの演出の関係上なんですかね。
確かにアニメとしては最後に「降り籠める」を持ってきた方が、良い感じで終われる気はしますね。
初恋はいらない
OP前のこちらの話、原作ではストーリーに直接関係ない「幕間」として描かれているものです。
駅で燈子と待ち合わせしている時、中学生時代に交際していた先輩と遭遇してしまう沙弥香。
この先輩との間に何があったかは本編の中でも把握することは出来ますが、更に詳細を知りたい方は入間人間が書いている電撃文庫のスピンオフを読むのがいいかと。
相変わらず先輩からは沙弥香をイライラさせるような一言が・・・。
百合的にはとても受けそうなルックスだけに、なんだかとても惜しいキャラ(泣)
「それじゃあ」
沙弥香は、見せつけるように燈子の腕を取り・・・
「さようなら」
もうあなたなんていらない、とでも言うかのような沙弥香からの”あてつけ”ですね。
いいぞ沙弥香。もっとやれ。
っていうかここの沙弥香さんの作画すっごい良い・・・。
尚、アニメ8話では原作になかった「紫陽花」の色に関する描写が目立ちました。
この紫陽花の色というのが何を暗喩していたのか私なりに考察記事を別途書きましたので、良かったら以下の記事も。
交点
原作3巻の第14話「交点」のストーリー。
侑と沙弥香のお話です。
「交点」の言葉が意味する所としては・・・燈子のことなんですかね。
二人の交点・接点って、燈子ですから。
「ここにいる人のほとんど皆、七海先輩が、自然に、当たり前にこう出来るって思ってるんだよな。多分・・・私と佐伯先輩以外」
この発言も交点を思わせる一言ですね。
沙弥香の態度も態度だけど・・・侑、お前その顔はあかんぞ・・・。
そりゃ周りから気使われるわ・・・。
相手に嫌われてるかもと思っても、コミュニケーションを図りに行く侑ちゃん。
良い子すぎてコミュ障の社会人は見習うべきだぞ、ほんと・・・。
嫌い・苦手なやつこそ、よく話して相手のことを理解して関係を築くことが大事なんだぞ・・・。
あ、自分に言ってます。
その後某ハンバーガー店にてお話する二人。
ポテトを渡すシーンでは一瞬笑顔を見せる沙弥香。少しは関係性も良くなったという描写なのかな?
そして侑からは「佐伯先輩って・・・七海先輩のこと、すごい好きですよね」というブッコミ。
沙弥香は何一つ動揺も見せず、「友人として、先輩として、他に何があるっていうの」という冷静沈着な一言。
表面上は二人とも取り繕っていますが、おそらく双方ともに勘付いてますよね・・・色々と。
生徒会劇が終わった後、燈子はどう変わるのか。
沙弥香は、「好きと伝えることが出来るのか」
侑は、「私は、どうなるんだろう」
というそれぞれも胸の内。
侑の「どうなるんだろう」は色々と深いですね・・・。
少なく見積もっても2つくらいの意味合いがありますよね。
「好きという気持ちが持てるんだろうか」
「好きと言えるのだろうか」※好きと認める事は出来ないので、現時点では封じ込めるしかない感情ですが
ここのシーンでも「紫陽花」の描写が出てきます。
2度目となりますが、考察記事を以下で別途書いてます。
降り籠める
8話ラストは、原作3巻の第13話「降り籠める」のストーリー。
侑と燈子のお話です。
冒頭で7話で最後に燈子が閉じ込めた、本当に言わんとしていたセリフの答えが出ましたね。
「私のことを嫌いにならないで」という言葉は、「私を好きにならないで」というのが伝えたかった真意だろう、と。
いやー、燈子の思うがままに縛られちゃってますね、侑。
『降り籠める』は傘を忘れた侑が燈子と相合い傘で帰る様子を見ながら
「相合い傘だけでここまで尊くなるのかよ・・・・・・」
という感情に浸るストーリー。
そして同時に、燈子の例の表情にゾッとするストーリーです。
一緒に傘に入って帰る予定だった朱里が先輩と一緒に帰ってしまったのも、
学校が提供している最後の貸出傘がボロボロすぎて使えなかったのも、
怜ちゃんがデート中で迎えに来てくれなかったのも、
これはすべてアンラッキーな出来事ではなく、むしろラッキーに次ぐラッキーが結びついた故の相合い傘。
相合い傘のシーンについては皆さんご堪能されたと思うので多くは語りませんが・・・。
個人的に好きなのは侑の「やだじゃない!」のところ。
たまにタメ語になる侑ほんとすこ・・・。
最後の雨宿りシーン。
面倒見がいい侑ちゃん、受けの燈子、ここらへんは尊いの一言。
「今日だって、先輩が来てくれて助かりましたし・・・それに・・・嬉しかった」
「嬉しかった・・・その嬉しいって・・・どういう意味・・・?」
燈子の厳しすぎる表情からか、急変した態度からなのか・・・
沙弥香曰く”話が早い子”の侑も悟るのは早いため、咄嗟に「変な意味じゃない」と誤魔化します。
燈子怖いよ・・・。
次にこのシーン。
「あったかい 先輩って体温高いよな わたしが低いだけか」
「わけてほしい」
と手を伸ばすが、結局手を取ることは出来ず・・・。
当たり前ですが、本当に体温の事を意味しているわけじゃないですよね。
でも「わけてほしい」って、それは侑・・・。好きにならせてくれと言ってるようなもんじゃん・・・。
直接的に表現しないのが、この作品の本当に良いところ。
そして紫陽花のシーン3回目。
なんか8話の紫陽花の作画、めちゃくちゃ気合入ってたな・・・。
しかし燈子から『好きな紫陽花の色』を聞き出す事は出来ず。
まぁ、普段から好き好き言われているので、何色なのかは推して知るべしですが。
ちなみに原作13話だと寝てしまったのは侑なんですよね。
でも原作3巻の表紙だと燈子が寝てしまってます。
アニメは原作3巻表紙バージョンだった、ってことですね。
なぜアニメは表紙バージョンになったのか・・・なんの暗喩があるんだ・・・!(色々暗喩が多すぎて考えすぎてしまいます)
尚、一番最後のリレーバトン私が上手くいくシーンだけ、原作第3巻の第13話「降り籠める」のラストシーンになってます。
アニメとして見易くするために、
幕間「初恋はいらない」→原作3巻の第14話「交点」の途中まで→3巻の第13話「降り籠める」→原作3巻の第14話「交点」のラストシーン
という構成順にしたんでしょうね。
総評
というわけでメインストーリーとしてそこまで進展は無かったですが、原作でも屈指の名シーン(毎回言ってる)である相合い傘、雨宿りがある8話でした。
紫陽花の色についての描写という、原作には無かった部分が中々考察しがいがあって面白かったです。この考察については別記事に纏めましたので、見てもらえると嬉しいです。
次の9話ですが・・・あれだよな・・・。多分。
体育祭の・・・あれがくるよな・・・。
全裸靴下待機でも覚悟し足りないよ、僕。
来週が楽しみどころじゃない、百合漫画研究家(日本百合学会所属)でした。
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