やがて君になる アニメ 第13話
ついにこの日が来てしまいました。
やがて君になる、アニメ最終話。
最終話、「あるよな、あるよな・・・?」と待ち望んでいた水族館回。
アニメ13話の原作該当部分は、原作5巻の23話の「終着駅まで」、幕間の「これまでとこれから」、そしてラストが24話の「灯台」。
(補足ですが、EDで一瞬出てくるこよみは原作25話「憧れの着地点」の冒頭部分に該当してます)
原作23話にて侑とこよみが劇の脚本の修正点について話す部分は、アニメ12話の方に盛り込まれてました。
そしてアニメの構成順序は23話の序盤のお墓参り⇛幕間の「これまでとこれから」⇛23話の残りと24話の「灯台」でした。
原作は何度も何度も読んでるのに、まったく違和感を覚えないアニメの構成。これはこれで良いものだ・・・。
いよいよ生徒会劇が始まろうとしているが、この生徒会劇が終わった時、燈子が次に目指すものは何なのか。
姉がやろうと思っていた生徒会を成し遂げたら、その後の燈子自身に何が残るのか。
自分自身を見失いつつある燈子の姿から、最終回が始まる形に。
感想と考察、書いていきたいと思います。
※このブログ、感想と考察がごちゃまぜに書かれているのでご了承下さい
太陽と飛行機雲
最終回はお墓参りのシーンから始まりました。
自分自身を見失いつつある燈子の姿。
開始直後から、何やら意味深な太陽(光)の描写と2本の飛行機雲が。
この部分、考えてみたのですが2通りの意味合いに取れる・・・。
①太陽は燈子。飛行機雲はそれぞれ侑と沙弥香。
光というものは、やがて君になるの中では”好き”という恋愛感情に置き換えられて描写されるのが常。
飛行機雲(侑と沙弥香)の視点からすると燈子は”好き”の対象なので、太陽=燈子の考え方は間違いではない気がする。
②太陽(光)は”好き”という感情そのもの。飛行機雲は燈子と侑。
かなり微妙な差ですが、下の飛行機雲のほうが進むスピードが早い。
好きになった(光に向かっていった)のが早かったのは燈子が先なので、上の飛行機雲が侑、下の飛行機雲が燈子に思える。
上の飛行機雲は指の隙間からその姿を追うことが出来るが、下の飛行機雲は燈子の手のひらによって覆われていて、途中から姿を隠してしまっている。
自分がなりたかった姿、自分自身を見失ってしまっている燈子。つまりこれは下の飛行機雲=燈子を表しているのではないか・・・と思ってるんですが、さすがにこじつけかな・・・。
そして光に向かっていく飛行機雲。太陽を挟む形に。
これはお互いが求める”好き”のゴールが現時点では異なっているからこそ、太陽を見つめる視点・方向が異なるという描写。
それこそ燈子が”乗り換え”することが出来れば、この飛行機雲は同じ方向から太陽を見つめるようになるんでしょうか。※”乗り換え”は最終回ラストの侑のセリフより
二枚の蝉の羽
水の上を流れていく、二枚の蝉の羽。
これ絶対に何かの暗喩だろ、と思わざるをえないような描写。
結構悩みに悩みましたが、以下のように考察してみました。
「私ちゃんとやるからね。お姉ちゃんが出来なかったこと、お姉ちゃんの代わりに」
「そうしたら・・・」
「そうしたら・・・」、というこれからの未来について考えたセリフのすぐ後に蝉の羽が現れます。
そして日陰の部分から、日の光が差す水面に蝉の羽が動いていきます。
・蝉の羽は燈子と侑のそれぞれを表している
・「そうしたら」というセリフの直後に日の光が差す部分に二枚の蝉の羽が移動してく
原作でも先が全く読めなくなっている状態ではありますが、これからの燈子と侑の(光が差すような)未来を暗示している。
ハッピーエンド厨の私としては、このような妄想をしたくなってしまいますね・・・。(汗)
ちなみに蝉の羽が使われた理由はちょっと分かりませんでした(泣)
むしろ花びらとかのほうが絵面的に良さそうだけど、「これから羽ばたいていく」みたいな意味合いを込めて羽にしたのかな・・・?
脚本の修正
喫茶echoで脚本の修正をする侑とこよみ。
燈子を変えたいという侑の必死の想い。
侑って本当に良い子で・・・このアニメはついつい侑に感情移入してしまう。
そして最近推しメンのこよみ。
「侑のセリフすごく増えると思う。大丈夫?」
ここの「大丈夫?」、可愛すぎかよ・・・。
小原好美さん、相変わらず良いお仕事を為さって下さる・・・。
劇のタイトルがまだ決まっていない模様。
それを考える侑とこよみ。
この劇を通じて燈子に伝えたい想いをタイトルに込めるわけですが・・・。
タイトルについては終盤で出てくるので後述します。
時間差でechoを訪れる燈子と沙弥香
都の「仲良いね」のセリフに、余計なことを言うな的な表情の沙弥香嬢。くっそ可愛い。
ちょっと強気な性格なとこと、好きな相手には一途なとこと、そして顔面。全てが尊い沙弥香嬢。
スピンオフも出るし原作最新話の展開も熱いし、相当人気出てきてるのでは・・・。
理子の知り合いの劇団の人というのが男と知りジェラってしまう都さん。
そして圧倒的尊さの「ふーん?」
俺の中での佐伯沙弥香熱が留まることを知らない。
もっと沙弥香グッズを、お願いします。どうかお願いします。
スピンオフも100冊くらい読みたい。
距離感
距離感をどうしても感じてしまうような、そんな含みのある描写でしたね・・・。
喫茶店の中でお姉さんの話になった際は、肩に触れようとした手を一度は引き止めますが、その後は手を握って話を続ける。
一見、燈子の心に寄り添えたように思えた沙弥香ですが、沙弥香自身は距離感を感じているような、そんな描写・・・。
去っていく燈子の後ろ姿を見つめながら、瞳の中に映った沙弥香の手が、とても寂しく見えました・・・。
最近沙弥香推しなので見ていて結構つらかったシーン。
未来に迷う燈子
13話の主題、劇が終わった後、燈子には何が残るのか。(13話だけじゃなく、やが君自体の主題でもありますが)
未だに迷い続ける燈子。
この部分、電車が来たタイミングで一歩前に出るかのような燈子の仕草。一瞬ビクッとしてしまいました。
この描写に何の意味があるのか答えが出なかったのですが、不安感とかそういったものを暗喩したかったのかな・・・。
しかしそんなシーンのすぐ後、侑からお誘いのLINEが。
侑のLINE一本でここまで笑顔になる燈子。
ほんと、侑がどれだけ燈子の支えになっているのかが分かりますね・・・。
”好き”という憧れの感情が分からず迷っていた侑を導いた燈子。
その侑が、今では燈子を導く形に。原作23話の扉絵なんか、ものすごく刺さるものがありますよね・・・。
箇所に迷いましたが、このあたりがAパート「終着駅まで」のタイトル回収。
劇の結末(終着駅)を変え、燈子がたどり着くべき終着駅へと導こうとしている侑。
そして駅の電光掲示板に「終点まで先着します」という表示。
今から燈子が乗ろうとしている電車は、終点まで先着する最速便。
たったひとつの冴えたやりかたで、「終着駅まで」導く侑のことを暗示する描写なのかな・・・と。
(むしろ電車より早くメッセージが来ましたね、侑から)
待望の水族館
待ちに待った水族館デート、やって来ました。
モデルとなっているのはマクセル アクアパーク品川。有給取って平日の空いてる時間に絶対行こう・・・。
イルカの大ジャンプにより全身ずぶ濡れになってしまう二人。
尊いなぁ・・・。エモいなぁ・・・。(当ブログの管理人は感極まると語彙力が尊死します)
それにしてもアホ毛まで濡れてるのは結構笑いました(笑)
アニメオリジナルのシーンですが、これは監督良い仕事したと言わざるをえない。
なかなか特徴的なテーブル。これ、品川の水族館に行けば同じテーブルがあるのかな?
テーブルの上に置かれた、燈子のと侑、それぞれの手。
”相手の見えない位置に手を隠す”というのは、「何かを隠している。探られたくないことがあり身構えている」とする心理学があります。
侑の片方の手が見えないのは、そういった暗喩なのかもしれませんね。
「私の他が全部偽物でも、侑のこと好きな部分は私だって言い切れる。だから安心、かな」
燈子から、ストレートすぎるほどに「好き」と伝えられる侑。
少しばかり、眩しそうな表情を見せましたね・・・。
「矛盾してるって自分でも思うけどね」
「…矛盾、しててもいいんじゃないですか。べつに」
同じ姉の話をしていたにも関わらず、沙弥香のときと比べて燈子の表情がハッキリと違います。
沙弥香「でもそれも間違いじゃない。燈子が見ていたお姉さんも、お姉さんの一部に違いないと私は思うわ」
侑「…矛盾、しててもいいんじゃないですか。べつに」
この2つのセリフにどれだけの差があったのか。
沙弥香のセリフ、これは燈子も分かっていること。優しいセリフではあるのですが・・・。
それに対して侑のセリフは、「矛盾してもいい」。つまりは姉の姿を目指している燈子の姿も認めるし、侑が好きという燈子の姿も認めるというもの。
どのような在り方であってもいい。行き先を迷っている燈子にこの一言は響くのではないでしょうか。
エチュード
原作には無かった、水族館での劇の練習。
これを見た時、「あ、ついにアニメ版オリジナルとしての締めに入ってきたかな・・・」と思いましたね。まぁその予想は裏切られるのですが(笑)
練習の中で、即興劇(エチュード)を入れてくる侑。
伝えたい想いは勿論、「誰かになる必要があるのか?」という一点。
しかし燈子は燈子で、長年悩み続けてきた想いがあり、そう簡単には道を変えられません。
ここから更に侑の追撃があると思いましたが・・・
ちょうどペンギン大行進の時間になってしまった模様。
周りに誰もいないからといった理由で始めた練習ですが、周りに人が集まってきたことに気が付かないほどだった二人。
エチュードを打ち切り、前に進んでいってしまう侑。
迷っている燈子にとっては、侑がいないと自分がどうしていいのかすら分からない。
追いすがるような気持ちで手を伸ばしますが、侑を掴むことはできず・・・。
追いついてこない燈子を察し、振り返る侑。
この侑の笑顔、優しさこそが燈子がこの先目印とすべき「灯台」。
海の中で迷ってしまったかのような先ほどの燈子の描写。
そして海から目的地(終着駅)を目指すための目印は、まさに「灯台」。
ここがBパートのタイトル回収でしょう。
不安な気持ちはあるけれど、侑を信じれば大丈夫かもしれない。
ここらへんの、燈子の不安を拭う部分は原作5巻のラスト、28話あたりが山場になるのですがアニメではそこまで描かれず。(ほんと二期お願いします)
そういった部分のちょっとしたエッセンスを、今回のアニメオリジナルの構成に持ってきていたような気はしますね。
好き、以外の言葉で
そして始まった特殊ED。
やがて君になる、アニメ最終話が終わろうとしています。待ちに待った、けれど来てほしくなかった・・・その瞬間がついにやってきてしまいました・・・。
そしてこの曲、hectopascalのカップリング曲、「好き、以外の言葉で」。
今からまさに「好き」以外の言葉で燈子を導く侑。もちろん■■という言葉も伝えたいけれど、それはもう少し先の話。
ここでこの選曲は、もう最高のエンドになる気しかいない。
燈子を導く言葉。
端的で美しい・・・。日本語って綺麗で可愛いなぁと思った瞬間。
それにしてもこの手を取るシーン、アニメ1話の夕方の生徒会室を彷彿とさせますね。確実に被せてますね。
侑が幼馴染の男の子に正直な気持ちを伝える時、助けてくれたのは燈子。その時、燈子が手を握ってくれました。
今度は侑が燈子を助ける番。
そういう意味だと、「灯台」って侑でもあり、燈子でもありますよね。燈子の”燈”って「ともしび」「あかり」って意味ですし。
そして”侑”は「勧める」「助ける」という意味。
え、エモすぎでしょ・・・・・・。(当ブログの管理人は感極まると以下略)
侑に導かれ、光の下にやってきた燈子。
この手、冒頭の墓前のシーンと酷似しています。
ここのシーン、暗喩がいくつか重なっていて非常にエモい部分。
冒頭シーンで掲げた手は、自分自身の姿(飛行機雲)を隠し、燈子が行き先に迷っていることを暗喩していました。
しかしその手が、ラストシーンでは早々と下げられます。
現れたエイによって、迷い(手)が取り払われている描写。エイによって導かれる燈子。
そして光に重なるように現れるエイ。
光というのは、”好き”という感情を示しており、光とエイの意味が重なる。
このエイ、侑の暗喩です。
燈子が迷ってしまう海の中でも、侑という灯台が導いてくれる。
ほんと素晴らしいアニメ作品に仕上がってますよね・・・。考察書きながらちょっと泣きそう。
冒頭では、太陽(光)を違う視点から見ていた飛行機雲。
しかし今では、同じ視点から光に手を伸ばそうとしています。
ここでの灯台の意味合いは、”侑”という意味ではなく、二人で目指す灯台(光)になっている気がしますね・・・。
あくまで私の妄想ですが、そんなダブルミーニングまで考えて構成組んでたとしたら本当にびっくりです。
乗り換え
「君しか知らない」
これは侑から燈子に伝えたい、短いけれど、大胆で、これ以上は無いほどに意味が詰まった一言。
お姉さんには会ったことがないし、出会ってからの燈子しか知らない。
お姉さんになろうと頑張ってきた燈子だって燈子だし、自分のことを好いてくれる燈子だって燈子であることに変わりはない。
燈子は「自分には何もない」なんて言うけれど、燈子に出会ってからの燈子の姿を侑は知っている。
そんな燈子を、侑は■■になった。お姉さんは関係ない、燈子自身を。
”燈子しか知らない”と伝えたいんですよね、侑は。
「先輩」
「そろそろ 乗り換えですよ」
燈子にそっとささやく侑。
今まで、自分には何も無かったと言う燈子。お姉さんになるしかないと言っていた燈子。
しかし、この先の違う未来へと乗り換える道を、侑が導こうとしています。
乗り換え時期は、きっと生徒会劇が終わる頃。
少し先の未来、「そろそろ」という表現がまた妙ですよね、ほんと・・・。
ちなみに考察書きながら侑のこの一言で泣きました。
感極まると語彙力以下略なので、色々と考察・理解不足があった点についてはご容赦下さい・・・。
そしてこのタイミングで、最終話第13話が終了。
本当の本当に良いアニメだった。
これほどまでにアニメの二期が見たいと思ったことがあっただろうか・・・。
そしてめちゃくちゃ久しぶりに円盤を買った作品。頼むから二期制作決定してほしい。
原作は原作で佳境なタイミング。
アニメは終わってしまったけれど、”やがて君になる”からはまだまだ目が離せません。
これからも全力で応援していきたいと思います。
本当に良い作品に出会えました。
細かい描写にまで素晴らしい考察で、自分では気づかなかった暗喩まで気づかせていただきました。
一点、セミの羽の部分ですが
私はセミ=燈子の暗喩ではないかと感じています。というのも、セミの7年(?)の土中生活と一瞬の輝きを、燈子が7年間輝き(姉)を目指しているが、生徒会劇を成功させる事が人生の終着駅となってしまっている点にかけており、直後の電車に向かって一歩進むシーンと合わせて、死(おそらく燈子は自殺はしないので、燈子のアイデンティティの死)を連想させる演出ではないでしょうか?
コメントありがとうございます!
なるほど、確かにそう考えると電車が来た時に一歩踏み込む演出には納得感ありますね…
蝉が、今まで燈子が姉に成り代わろうとしていた年月を暗喩しているというのは「なるほど!」と思わされました!
ハッピーエンド至上主義の私としては、
・一歩踏み込む演出(この時、お姉さんに成り代わろうとしていた人生に区切り)
・直後に、侑からのメール
というのが、新しい人生へ侑(灯台)が導いてくれる契機となったシーン。なんて考えたくなっちゃいますね
返答ありがとうございます!
私もハッピーエンドに向かっていってほしいと心から望んでいます!
原作漫画でアニメの続きも見ましたが、6巻ラストでは久しぶりに漫画で身悶えしましたね…
これからもブログ、楽しみに読ませて頂きます
現実だろうが二次元だろうが当たりアカウント引けるかどうかがすべての出来レースだからこそ橙子は姉に成り代わろうとしてるんだしレールの上から外れた程度で幸せになれるわけじゃないんだよなあ…(小並感)
現実世界もそうだけど見世物として物語を続けるために問題が発生し続けるように組み上げられてるんだし心や法なんて概念はこの世のすべての不利益は神の能力不足のせいだという事実を隠蔽するために存在してることに気づかない限り救われないのが人間だしな