【ネタバレ感想】やがて君になる アニメ 第6話「言葉は閉じ込めて/言葉で閉じ込めて」

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やがて君になる、第6話。
神回でしたね。
アニメでここまで機微な心の動きを表現出来るなんて・・・本当に素晴らしい作品だと思います・・・。

6話では、遂に核心部分の話に迫る展開に。
燈子が生徒会長になった理由、そして生徒会劇をやりたい理由が明らかになりましたね。

原作該当部分は第2巻の10話「言葉は閉じ込めて」と、十話「言葉で閉じ込めて」。
同じ10(十)話ですが、10話は侑サイドの心情が、十話は燈子サイドの心情が描かれている話です。
この話は原作部分でも屈指の名シーンであり、かなり考察しがいがある話となっています。私の大好きな話の一つです。
今回のアニメ第6話ではこの話が忠実に再現されているだけでなく、映像表現として細かな暗喩や描写がありました。
まぁ6話だけじゃなく、全話を通して色々と情報が埋め込まれているので、そういう意味でも本当に尊い作品ですね。

アニメ独特の描写


例えばこのシーン。6話最大の見どころのシーンですが、2人の間に大きな壁があるかのような暗喩。これは原作には無かった描写です。


原作に無かった描写として、例えばこんなシーンも。
「燈子は努力の末に、完璧を振る舞うようになった。姉の代わりとして。だけど、いつまで」と、侑が葛藤するシーン。
選択、分岐を思わせるような暗喩の映像表現ですかね、これは。
素人なりにも、色々と考察のしがいがあって楽しいです。
原作を読んでいても尚楽しませてくれるなんて、本当に良い作品だと思います。

今回のタイトルに含まれた意味とは

今回のタイトルは侑、燈子それぞれの視点を示唆している気がします。
6話を最後まで見た人は分かるでしょうが、言葉を飲み込んだ侑。それに対して言葉で侑を束縛する燈子。
でも、実は燈子も飲み込んだ言葉があるっていうのが、本当に深いですね・・・。


一緒にいたい、とは言えない。勿論好きだとも言えない。燈子が好きなのは「”好き”を持たない」自分だと知っているから・・・。
言葉を閉じ込める選択しか、侑には出来ないんですね・・・。燈子の言葉に束縛されているが故に・・・。

「先輩のこと好きにならないよ」

燈子に伝えられる最大限の、侑の告白。
そう、もはやこれって、告白だと思うんですよね。侑の最大限の告白。

今この時点では、燈子は姉の存在を振り払うことは出来ないので、「”好き”を持たない」侑でいてもらう必要があるんですよね。
それが分かってしまったが故に、言葉を閉じ込めてしまった侑。
まぁあくまでも私の推察・妄想なんですが、深いなぁ・・・。


「劇、侑も手伝って」
「私といて」
「ほかの人を好きにならないで」
「私のこと嫌いにならないで」
「それから・・・・・・」

燈子が唯一言葉を閉じ込めたシーン。燈子が閉じ込めた言葉は、ED後の最後の1シーンで語られましたね。
侑に対して「好きだよ」と伝えることで、侑を束縛する燈子。
姉として振る舞い続ける必要がある一方、素の自分も受け入れてくれる侑。
自分がどちらかの存在に偏ったとしたら、周りの人間は変わらず自分を好きでいてくれるのか。”好きを持たない”侑であれば、そんな心配事もいらない。
今の二人の関係のままでいたい。だからこそ、燈子は侑を縛るんでしょうね。

おそらくアニメでは、生徒会劇ストーリーまでやって終わりになると思ってます。
生徒会劇が終わった段階で、侑と燈子の関係はどうなるのか。どういう変化を見せてくれるのか。
アニメ独自としての締め方をする必要があると思ってますが、残り話数もあとちょっと。
原作勢としてはソワソワしながら最終話を待ちたいと思います。

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